リスクの高い資金計画ではなく、リアルな資金計画を

一般的な住宅会社の資金計画を見てみると、ローンの月々の支払い予定表と、良くてもせいぜい固定資産税の支払いが盛り込まれているだけ。
住宅購入にかかる諸経費や手数料がすべて含まれていなかったりします。

また、生活費、将来に渡って上昇が見込まれる教育費、生損保の支払いや車の買い替え、レジャー費など、これから何十年と生活していく間には住宅資金以外の支払いが山積み。それを考慮しないで住宅購入を検討するのはとても危険です。

また、こんな声にも要注意です。
同じくらいの年収の方は、これぐらいのローンを組まれていますよ

これは、何のアドバイスにもなりません。
その人の年齢は?子供の数は?ライフスタイルは?貯蓄額は?

ひと家族ごとに家計の状況やライフプランが異なっている以上、簡単に比べて判断することはできません。前提条件が違うのにも関わらず、提示されるモデルプランを鵜呑みにするのは大変危険です。

少し面倒に感じるかもしれませんが、人生最大の買い物を後悔しないように、この先、自分が望む生き方をするにはいくら必要なのか?ということを明らかにして、住宅にかけられる金額を決めていきましょう。

実際にこんな結末を迎え、 苦しんでいる方も・・・

事例 50代になる会社員Aさん一家。 ※当社のお客様ではありません。


購入した夢の新築マイホームを手放し、子供の学区が変わらないよう近くの借家に転居して、新しい生活を送っている。

10年ほど前、3人目の子供が生まれて今までの家が手狭になったことをきっかけに、住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)の35年ローンにて、3500万円の住宅を購入。住宅購入時から最初の5年間の支払いが少額で済む、「ゆとり返済」と言われる仕組みを選んだ。

当初の返済は毎月5万円、ボーナス時に20万円。そして6年目からは毎月の支払いが8万円、ボーナス時が30万円。当時の年収は650万円ほど。しかし、まだまだ年功序列型の企業。歳を追うごとに給与も増え、返済にはなんの問題もないと思っていた。しかし・・・。

景気の煽りを受けて会社の業績は低迷。ボーナスは年々カットされ、ついには全く出なくなった。公庫に相談してボーナス払いをなくしてもらうために、月の支払い額は10万円を超えた。しかし、月給も2割・3割減となったために滞納が重なった結果、とうとう裁判所からマンションの競売開始決定通知が届いた。

その後、運よく信頼のおける不動産会社から任意売却の話をもらうことができ、競売よりは高く売れたものの手元には1500万円以上の借金が残っているという。

・・・脅したいわけではなく、現実を直視していただくためにもご紹介しました。
明るい未来のためには、無理のない資金計画が必須です。

マイホームは憧れですが、理想の家に住み続けるためには現実的になる必要があります。では、どんなことを軸にして資金計画を考えていけばよいのでしょうか。